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吟月窯・鈴木照夫作陶展 
土と灰釉を楽しむ~100碗と狛犬・シーサーたち~
平成27年9月11日~12月6日

焼物との出合い

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 ―はじめに―

 六回目の「年男」を迎えた年に、好きな焼物を展示する場所を与えて下さった、荒木集成館に感謝しています。

 ―焼物との出合い―

 出会いは、昭和50年秋、緑区役所に勤務していた時、「緑区民美術展」の担当になり、「工芸部門」で大高町の早川俊作さんに(紅葉窯主宰)審査員をお願いに上がった時です。その時、見せていただいた大壺の灰釉作品(大豆釉、黄瀬戸)に感動しました。平成元年5月に亡くなられるまで、焼物について、助言、指導していただきました。

 その頃、緑区内では、あちら、こちらで区画整理事業が計画され丘陵地を掘り起こしていました。「白、黄、灰、朱色」の粘土が顔を見せ、休日には土のう袋とスコップを片手に収集しました。又、鬼板(鉄絵用)も数多く露出していて、収集しました。(ドラム缶1本程)

窯焚きの出会い

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 平成8年秋、瀬戸市山口の大津範生さん「ものみ窯」が窯焚き人を募集している記事を見て、その年と翌年の2回窯焚きに参加しました。(その後、万博会場に決定したため、窯は他の所へ移動されました)

 平成11年12月、中日新聞夕刊に、三重県嬉野町宇気郷(現、松阪市)で「元昇窯5周年記念作品展」の記事を目にし、特に「品格のある焼物をめざす」・・・「焼物の釉薬は色のパズル、複雑な、なぞ解きが分かって来た」と熱く語られていた、木村元次さん(元昇窯主宰、倒煙式、萬古窯、焚口4ヶ所、1回の焼成で4トンの赤松使用)の顏写真を拝見して、直に宇気郷まで足を運び、作品を拝見し、お話しを伺いました。とても気さくで「焼物好きは、いらっしゃい、いらっしゃい」という、気質に、すっかり、引きずり込まれました。翌年5月より、春(5月)秋(10月)の2回、平成27年5月まで16年間30回の窯焚きに参加しました。(1回の窯焚きで2点~10点窯入れしていただきました)

 平成24年5月の元昇窯、窯焚きに来て見えた、南知多町師崎の澵井武仁さん(穴窯、黒地窯主宰)より、窯焚きの応援を頼まれ11月と翌年の11月2回参加しました。

吟月窯の誕生

 平成15年4月頃、故早川俊作さんの家族より「紅葉窯(LPガス0.07㎥)」譲渡の話が有り、譲っていただき、小さな工房を築き、平成15年7月26日「吟月窯」と名を変え、初窯の本焼を行ないました。27年7月までに102回の本焼焼成を行いました。

土と灰釉を楽しむ

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 釉薬は「木灰と長石」の一本に絞って挑戦しております。

 「木灰」は、大豆、赤松、柞、梨、巨峰、リンゴ、サツマイモのつる、シマトネリコ、サンシュユ、ウバメガシ、クス、クヌギ、落花生、グミ、山桃、ビワ、ポポー、茶、サザンカ、椿、梅、柿、槙、ワラビ、栗の木、栗皮、小豆皮、ワラ、モミガラ、桑、桜、大根、線香灰等約70種類の灰を単味叉は混合して焼成しています。

 「粘土」は豊明市内は元より、緑区、日進、長久手、三好、東郷、豊田市(猿投山周辺)、三重県久居、遠くは、北の北海道洞爺湖畔のウインザーホテルから、秋田、後生掛温泉。南は沖縄県与那国島、長崎県壱岐の島まで、旅に行く度に粘土を採取し焼成をしています。

おしまいに

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 この度の展示には、茶碗100点、壺、花入15点、徳利・ぐい吞6点、茶入2点、香炉3点、狛犬、7組(阿吽)と1点、シーサー7組(阿吽)、総計142点です。

 焼物の巨匠、故石黒宗麿さんは「焼物は、生涯素人でなくては良い物は作れない」と述べられています。それを目標にして精進していきます。

 ぜひ、皆様、お誘い合せの上お気軽に、お越し下さい。多くの方々との出会いを心待ちしております。