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銅鏡・日本と中国の鏡 杉村美行収集品
平成24年9月7日~12月9日
杉村美行氏が収集した銅鏡・手鏡を展示します。


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 鏡は古代から神の依代として大切に扱われてきました。鏡の歴史は古く、エジプトの王女が鏡を手にする姿が残され、これが最古の鏡とされています。

 中国でも紀元前5世紀には銅鏡が作られるようになりました。日本に鏡がもたらされたのは弥生時代とされ、最初は祭りの道具か宝物だったと考えられています。中国の史書『魏志倭人伝』に、多くの鏡を贈ったと記載されています。はじめは国外から持ち込まれたものがほとんどでしたが、日本で考えられた文様を施した「直弧文」「家屋文」などの鏡が作られるようになりました。

 鏡は時代の移り変わりとともに、形や大きさ、様々な文様の鏡が作られました。室町時代になると円鏡に柄を付けた「柄鏡」が登場します。

 元文年間(1736―40)には大量生産されるようになり一般にも普及しました。また、柄鏡のほか小形で方形の持ち運びに便利な懐中鏡も多くなりましたが、明治時代にガラス鏡が外国から入ってくると、磨かなければならない手間のかかる銅鏡から、ガラス鏡の時代に移っていきました。

 今回の展示には日本と中国の古い時代から近代までの銅鏡が並んでいます。時代によって用途もかわり、形や大きさ、文様も様々な鏡が作られてきました。現代も私たちの生活に欠かせない鏡の歴史に思いをはせながら、銅鏡を楽しんでいただければ幸いです。

 荒木集成館理事長・荒木正直