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「木の実集」 500円

木の実集

 荒木實 著 52頁 1990年4月21日 発行 荒木集成館

 句や詩などでつづられた、館長著の小冊子。

 

 まえがき〜心の発酵・史の発光〜

 本書は、根っからの名古屋人としての郷土愛に拠って立つ「荒木」という木が、詩歌という花を咲かせ、実を結んだものといえる。

 それらの「木の実」は、律儀な教育者らしく、歌・句・詩ともに編年体で精緻に整序され、一つ一つ順を追って読み進むと鮮明に胸に響くものがある。

 著者は荒木集成館館長として、その発展に孜々と励んでおられるが、その途上の歌で、公の郷土史に記載された一首のあることは、名古屋文化のために慶賀したい。

 鈴鹿短期大学名誉教授 日本食糧栄養学会終身会員   医学博士 丹羽壮一

目次

目次:歌集/句集/詩集

唐山に・・・ その1

唐山に 古人来たり土を焼く 今しも残る末森の里 昭和52年5月9日

唐山に・・・ その2

唐山に 唐人来たり須恵を焼く 今だに残る末盛の里 昭和54年2月19日 俗人理解のため修正

唐山に・・・ その3

唐山に 韓人(からびと)来たり須恵器焼く 今尚残る末盛の里 昭和60年9月2日 再度修正し千種区史に記載

あとがき

 私は中学生の頃に石川啄木の歌集が大好きであった。文学に憧れ文学者になりたいと願っていたが、私の人生は全々違った薬専に入り、そして世の中は無茶苦茶な時代へと突入して行った。戦争、卒業、兵隊、敗戦、やがて新制中学の教員として漸く落着いた。だが今歌集を綴って見ると、落着を取戻した時代に多く作られていた。勿論若いと云う事であろう、残念でならないのは空襲で焼けてしまった昭和十三年から十九年までの日記である。文学少年時代沢山な詩歌か書いてあった。その中で思い出せたのは只三編であった。余りにも歳月か流れ過ぎた。

 末盛を歌った「唐山に韓人(からびと)来たり……」は私の推敲の作でありながら千種区史に昔の人と書かれており、その間違いを正す為にも歌碑の建立を思い立ち更にこの「木の実集」へと進展して来た。まだまだ生きている時間は長い、詩文だけてなく絵、木、土等を作つて市交化の為に役立ちたいと願っています。愛読者て愛顧家の諸兄、姉のこ支援をお願い申します。

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